埼玉県議会議員 しおの まさゆき
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建築確認審査に係る問題について
質疑質問:塩野正行議員 
一昨年末に発覚した耐震偽装事件をきっかけに、建築確認検査の厳格化を柱とする改正建築基準法が本年6月20日に施行されました。改正法では、構造計算適合性判定制度の導入など、従来の建築確認手続とは大きく変わりました。
具体的には、建築確認を申請した後に書類や図面に不備があった場合、再申請が必要となったこと。一定の高さを超える建物や構造が複雑な建物は、耐震強度の裏付けとなる構造計算書の審査が強化されたこと。従来の審査に加えて、第三者機関による二重チェックが義務付けられたことなどが挙げられます。

その結果どうなったか。
建築確認審査が滞り、審査期間が大幅に長期化いたしました。そのために、7月以降の住宅着工戸数が大幅に減少をいたしました。国全体では、7月は前年同月比23.4パーセント減、8月は同43.3パーセント減、9月は同44.0パーセント減、10月は同35.0パーセント減と、大幅な落ち込みとなっております。

建設関連業界はすそ野が広く、極めて深刻な影響が各方面に出始めております。7月から9月まで着工件数が前年同期の半分以下になった建築業者がほとんどで、今は何とか持ちこたえているが、長期化すれば会社がもたない、何とかしてほしいとの訴えは切実であります。
私の知る一般住宅の建築業者は、7月から3か月間、一棟も着工できませんでした。「審査機関で働く人は、幾ら審査が遅れようが給料をもらえるけれども、我々は、現場のなかった3か月間は収入ゼロだ」と、悲痛な声を漏らしていました。受注をしても着工できない、これが現状であります。
建築工事は、工事代金を受け取る前に、土地の取得費や資材の購入など業者持ち出し分が先行をいたします。着工のめどが立たなければ、施主から建築業者に払われる代金も入ってきません。資金繰りが大変です。
また、ある建売業者は、当座の資金を手に入れるためか、当初の売り値が3千万円だった物件を、毎週特売のチラシを出して値下げをし、ついには、どう見ても採算がとれない赤字価格で販売をしました。それに伴って、周辺の土地の価格まで下落したとの話も聞きました。深刻であります。
着工できなければ、下請の職人さんや設備業者にも仕事が出せない。下請業者も大幅な収入減に見舞われており、住宅着工戸数の大幅減少の影響が本格化すれば、大変な事態になりかねません。
ただでさえ、建築現場で働く職人さんは高齢化が進んでおり、このままでは若い人のなり手もなくなってしまいます。耐震偽装を防ぐために審査の厳格化は必要不可欠ですが、必要以上に厳格化されてしまいました。

ある行政庁の職員は、「国土交通省の職員は建築現場のことが分かっていない。国土交通省の職員に累が及ばなくするためのしわ寄せが全部現場に来ている」と憤っておりました。
偽装を見落とした場合に審査機関への罰則が明記されたのに加え、細かなルールを記した解説書の作成は法施行後にずれ込むなど、運用面での周知不足が混乱に拍車をかけました。申請時の提出物が多くなっただけでなく、申請する設計業者も審査する審査機関も過度に敏感になってしまった。
建築中の設計変更はよくあるようですが、再申請を伴わない軽微な修正の範囲があいまいだったため、トイレにつけるトイレットペーパーの位置を右から左に変更したからといって、本来必要のない再申請のための費用を設計業者から求められたというケースなど、異常なまでの混乱が生じました。国も事態の収拾に乗り出しましたが、いまだ混乱は続いております。
本県の状況ですが、10月12日には、木造2階建てなど小規模な木造建築物を対象とした4号建築物の申請図書例を公開するなどした結果、木造2階建て建築物の建築確認件数は従来並みに戻りつつありますが、木造3階建て以上の建築物はいまだ滞っている状況です。

そこで、都市整備部長に伺います。
まず、本県における建築確認審査の現状とこれまでの対応について、例えば審査機関の増員を図るなど、今後どのように改善を図っていくのかについて伺います。 建築士に対する周知徹底を図るため、講習会などを開催することも必要と考えますが、いかがでしょうか。
審査機関における事前審査や相談を延長するなどの措置も必要と考えます。
また、建築確認の円滑化には、構造計算適合性判定いわゆるピアチェックが滞りなく行われることも重要と考えます。ピアチェック機関は、県知事指定機関が行っていますが、ピアチェック機関における審査の現状と県の対応についても伺います。

次に、産業労働部長に伺います。
こうした現状、状況を踏まえ、国は建設関係の中小企業の資金繰りを支援するための金融上の措置を講じました。政府系中小企業金融機関においてセーフティーネット貸付けの適用を行い、融資限度額の倍増や元金返済据置期間の延長、既に抱えている債務の返済条件の緩和などを行いました。県制度融資において同様な措置をとることはできないでしょうか。
今回の問題をきっかけに資金繰りが悪化した企業に対して、現在返済している県制度融資に関して、返済の繰延べや返済期間の延長を可能にするようにすべきと考えます。

また、県制度融資におけるセーフティーネット融資である経営安定資金の対象として、国は去る11月27日に建築関連業種を保証の対象に追加指定いたしました。金融機関への周知徹底を図るなど、県としても最大限に配慮をし、今回の問題で経営の危機に瀕する可能性のある企業への救済策を講じるべきと考えますが、いかがでしょうか、併せてお答えください。
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建築確認審査に係る問題について
答弁:田中護都市整備部長 
まず、県内の建築確認審査の現状でございますが、本年6月20日の改正建築基準法の施行を受けて、7月以降の前年同月比では大きく件数が減少しております。
 7月は40.4%、8月は21.9%、9月は20.2%、10月は13.9%の減少でございます。

次に、こうした現状へのこれまでの対応についてでございますが、設計者と審査機関の双方に法令改正内容を理解していただくことや申請書作成の要点を周知することに努めてまいりました。
具体的には、改正法令に基づいて、建築確認申請書をチェックする事前審査を実施しているほか、木造住宅のモデル申請書を作成しホームページで公開しております。
さらに、設計者と審査機関の双方を対象とした講習会をこれまで県内の12の県土整備事務所すべてにおいて行うなど、延べ38回の講習会を開催してきております。

次に、建築確認の停滞の現状を今後どのように改善するかについてでございます。
建築確認審査件数は、現在、回復傾向を示しておりますが、県としては、一層の正常化に努めているところでございます。
具体的には、法令改正から6か月間を事前審査の期間としておりましたが、これをさらに平成20年3月まで3か月延長したところでございます。
講習会の開催につきましても、建築関係団体にも協力をいただきながら継続して進めております。
また、審査機関には、建築確認審査需要の増加に対応できるよう職員の確保を促してまいります。

次に、ピアチェック機関での審査の現状と県の対応についてでございます。
建築基準法改正により必要となりました構造計算適合性判定、いわゆるピアチェックの判定件数は、7月ゼロ、8月7件、9月18件、10月32件でございます。
現在、ピアチェックの判定機関に申請されているものは、この3倍の約100件あると伺っております。申請は、当初、手控えられていたものが、ここに来て集中的に出されたものと認識をいたしております。
県といたしましては、ピアチェックが停滞しないよう、申請の状況を常時把握し、判定員の増員など、必要な対策をピアチェック機関と検討してまいります。
また、チェックを短期間に行うための構造計算大臣認定プログラムの完成が待たれる状況でございます。年内に完成する予定と聞いておりましたが、遅れているとのことでございます。このプログラムが1日も早く完成し、認定が行われるよう国に対して強く働きかけてまいります。
答弁:飯島和夫産業労働部長 
県制度融資では、厳しい業況に直面した企業を支援するため、借換制度を設けております。
この制度は、売上げが減少している企業を対象に、商工団体や金融機関と返済計画を相談しながら、借入金の月々の返済額を軽減できるものであります。
また、特に債務超過等に陥っている企業に対しては、企業パワーアップ資金を用意いたしております。
この資金は、複数の借入金を一本化し、返済期間の延長や追加の借入も可能とするものでございます。

今回、国のセーフティネット保証5号に建築工事業など関連15業種が追加指定され、経営安定資金を利用できるようになりました。
厳しい状況にある建築関連業種の追加指定でありますので、融資が遅滞なく実行できるよう、市町村や商工団体など関係団体に対し、指定の翌日、直ちに遺漏のない対応を求めたところでございます。
また、金融機関に対しましては、特に資金繰りが難しくなる年末の資金需要に対応できるよう、更なる金融の円滑化を要請いたしております。
今後も建築関連企業の業況等を注意深く見守りながら、中小企業の資金調達に支障のないよう、努めてまいります。
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